矯正治療における抜歯と非抜歯

院長です。

最近歯学部時代の同級生と久しぶりに会いました。その時のことですが、彼は「話を聞いてくれ」といきなりレントゲン写真を取り出して、私に熱く語るのです。他の矯正専門の歯科医院で矯正治療をする患者さんの抜歯依頼が、彼のクリニックにあったのだそうです。

その患者さんは成人女性で、下顎前歯に少し叢生(歯並びが凸凹のこと)がある他は、きれいに歯が並んでいるのです。彼は矯正歯科専門ではないですが、それなりに矯正歯科を勉強しているので、その患者さんの依頼された抜歯をしようとした際に、はたして自分だったら抜歯をするだろうかと、考えたのだそうです。そこで彼が出した結論は、自分だったら抜歯をしないだろう、というものだったそうです。

 そこで、矯正専門医の私に、いままでの経過を話して、はたして自分は非抜歯とその時に考えたけれど、私に、「どう思う?」と聞いてきました。

 そこで私は、いろいろな考え方があり、それぞれのフィロソフィーに沿って治療方針を考えるのだというニュアンスのことを彼に前置きをして、その患者さんについて診断したみたところ、やはり同級生の彼をと同じ非抜歯を選択しました。

 矯正歯科における時代の流れ、つまり材料の進歩、新しい治療法の開発等を自分が有効に活用して、患者さん利益になるように応用していこうと、心に誓いました。